私鉄ローカル線
一 畑 電 車
1912年に「一畑軽便鉄道」として開業。現在、宍道湖北岸に沿って山陰本線の出雲市から松江市内
の松江温泉(現松江しんじ湖温泉)まで33.9kmの北松江線と、途中の川跡から出雲大社前まで8.3
kmの大社線があり、全長42.2kmのローカル色溢れる路線です。2010年5月には一畑電車を舞台に
した映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」が全国公開され、現役を退いた日本
最古級の電車「デハニ50形」と共に注目を集めました。
※ デハニ50形
昭和3年の北松江線開通および昭和5年の大社線開通に備え製造された荷物
室のある車両で、一畑電車オリジナル車両です。1995年に鉄道友の会の
「エバーグリーン賞」を受賞しました。近年には畳敷に改造され、お座敷
電車・レトロ電車として、主に観光や夏場のビール電車、また臨工車両と
して活躍しましたが、保安上の問題から平成21年3月29日に営業運転を終
了しました。引退後、中井貴一さん主演の映画『RAILWAYS 49歳で電車
の運転士になった男の物語』に出演、その姿は全国の映画ファン、鉄道フ
ァンに感動を与えました。 現在、2両の電車は、52号車が出雲大社前駅
で一般公開展示、53号車は雲州平田駅構内で体験運転用の車両にと、第
2の人生を送っています。
出雲大社前駅で一般公開
展示のデハニ50形52号車
車内に中井貴一さん主演の映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』を紹介した写真を掲出!
※ 2100系
京王電鉄に所属した、元京王5000系の車両で、昭和38年~
昭和44年にかけて製造され、通勤電車としては日本で初め
て冷房を導入した車両です。「関東の名車」と言われ、性
能やデザインの良さから、デビューの翌年には鉄道友の会
から「ローレル賞」を受賞しています。 一畑電車へは1994年(平成6年)にワンマン対
応の改造を受け入線した。
≪ 出雲大社前駅にて ≫
” 2100系 2104-2114号車 ”
平成25年に、島根県がスポンサーとなり「ご縁電車・しまねっこ号」としてラッピングを行ない、車両外観、内装
ともにピンクを基調にし、島根県観光キャラクター「しまねっこ」をはじめ、「しまね」にちなんだ8つのモチーフ
「しめ縄・銅剣・銅鐸・水引・雲・勾玉・ウサギ・ハート」を描いています。
車内に鎮座している島根県観光キャラクター「しまねっこ」
※ 出雲大社前駅の外観
「旧国鉄大社駅」が和風の神殿を模した造りであるのに対し、こちらは
モダンな洋風建築となっており、平成8年に国の登録有形文化財に指定
されました。教会を連想させるカラーグラスが窓にはめ込まれており、
時間帯や天候によりカラーグラスを通った光が床に鮮やかな模様が描き
出されます。
※ 吉兆神事(吉兆さんと番内さん)
大社町に古くから伝わる民間行事で、笛や太鼓の鳴りものも賑やかに、「吉兆
さん」と「番内さん」が町内を練り歩きます。吉兆さんというのは「歳徳神」
と大きく縫いとりをした高さ10m、幅1mほどの大幟のことで、これを持って
笛や鼕(どう)の囃子と共に練り歩き、出雲大社本殿の前では神謡を詠います。
吉兆さんが町内を練り歩いているときに、番内さんは白や赤の大きな鬼の面を
かぶり神楽衣装を身に着けた42歳の厄男で、家々を回り、玄関先でササラにな
った青竹を持って地面を叩き振りかざしながら「悪魔祓い(アクマンバライ)」
と大声をあげて厄祓いをします。
出雲大社前駅の前を練り歩く!
「吉兆さんと番内さん」