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私鉄ローカル線
京 福 電 鉄 嵐 山 線
京都市下京区の四条大宮駅から右京区の嵐山駅までを結ぶ嵐山本線(営業キロ7.2kmの全線複線)、
京都市北区の北野白梅町駅から右京区の帷子ノ辻駅までを結ぶ北野線(営業キロ3.8Kmの単線で、
鳴滝~常盤のみ複線区間)と併せて、京福電気鉄道の軌道路線で通称嵐電(らんでん)と呼ばれている。
また、西大路三条駅 - 山ノ内駅間と蚕ノ社駅・太秦広隆寺駅付近が併用軌道の他は、すべて新設軌道
となっている。
通常は1両単行でワンマン運転だが、ラッシュ時や観光シーズンには2両編成となり、乗客が車両間を
乗り移れないため2両目前方の運転台にも乗務員が乗車して運賃収受を行う。また、四条大宮駅・帷子
ノ辻駅・嵐山駅・北野白梅町駅を除き無人駅だが、太秦広隆寺駅や嵐電天神川駅など無人駅でも乗降
客の多い駅には時期や時間帯によって係員が配置され、乗客案内・運賃収受の補助、安全管理などを
行っている。
殆どが単線区間の北野線では、妙心寺駅、宇多野駅、撮影所前駅には行き違い設備がないが、単線の
線路を挟んで上下方向別にホーム2面が設けられている。これは車両のドア操作上、常に運賃箱のある
左側ドアを開けて乗降できるようにするためである。それ以外の途中駅には行き違い設備があるが、
通常ダイヤでは鳴滝駅と龍安寺駅のみで行き違いを行っている。
〔 嵐山線 四条大宮~嵐山 営業キロ7.2kmの全線複線で駅数13駅 〕
≪ 四条大宮駅 ≫
駅名は四条通と大宮通が交差する
「四条大宮」に駅があることに由来
する。地下駅で阪急電鉄大宮駅の駅
舎が、四条大宮交差点を挟んだ対面
側に設置されている。
ホームは3面2線の櫛形
1番乗場に到着の
622号車嵐山行き
≪ 西院(さい)駅 ≫
相対式2面2線のホームを有する地上駅。
嵐山・帷子ノ辻方面乗場は阪急の北改札
口に直結(左)
四条大宮行き乗場は阪急の南改札口に直結
している(右)
上下ホームを渡る四条通と交差する踏切は、
第3種に分類されるもので、遮断機がなく
(京阪神地区で唯一現存しているタイプ)
警報機も電鐘式である。
≪ 西院車庫 ≫
嵐山・帷子ノ辻方面乗場から車庫が臨める!
車庫横の本線路往く!
622号車 嵐山行き (左)
301号車 四条大宮行き (右)
613号車が四条大宮方面に回送出庫!(下)
≪ 西大路三条駅 ≫
上り線(四条大宮駅方面)は路面電車の
停留所(安全地帯) (右)
下り線(嵐山駅方面)
は単式ホームで、
西大路通をはさんで千鳥式の配置(左)
停留場を発車し専用軌道に進入する! ” 103+27号車 ” 四条大宮行き
※ モボ101形(101~106号車)
旧モボ101形を1975年に車体更新。現在は101,104,106号車が京紫カ
ラ ーとなり、102,103号車が昔ながらのグリーンベージュカラーで残る
※ モボ21形(26,27号車)
旧126号車、旧121号車の車体更新車として、また平安建都1200年の協
賛の一環として製造された。ブラウンの車体と車体正面と側面の装飾帯が
特徴(26号車が金の装飾帯、27号車が銀の装飾帯)貸切運行で指名され
ることも多く一番の人気車両である。
駅を発車し西大路通を往く! ” 631+632号車 ” 嵐山行き
※ モボ631形(631~633号車)
従来叡山電鉄旧デナ21形の主制御器を使用していたが、2008年までに阪
堺700形と同様の新造単位スイッチ式主制御器に更新された。
631号車は江ノ電と嵐電の姉妹提携を記念して江ノ電カラーになっており
「江ノ電号」と呼ばれる。
632、633号車は「井筒八ッ橋の夕子ちゃん号」として運行している。
併用軌道を往く! ” 301+624号車 ” 嵐山行き
※ モボ301形(301号車)
嵐電において最も古い車両であり、主要な機器は手
持ちの予備品を使って新造された。2007年に2両
とも一旦休車となるも2008年3月1日に嵐電天神川
駅開業に伴う増発対応として301号車が復帰した。
2018年現在では、嵐山本線での朝ラッシュや繁忙
期の2両編成での運用がほとんどである。
西大路三条駅~山ノ内駅間の併用軌道を往く! ”501号車” 四条大宮行
※ モボ501形(501,502号車)
旧114号車、旧129号車の車体更新車として、また嵐電初の冷房車として
製造され、乗車ドアが中央にあり車内のシート配置も他の車両と異なる。
主に朝のラッシュ時、観光シーズンの連結用車両として運用されており、
この電車が一両だけで四条大宮~嵐山間を走っていることはめったと見ら
れない。車体形状は東京都電をモデルにしたといわれている。
≪ 山ノ内駅 ≫
安全地帯形式の相対式ホーム2面2線の構造
の京都府内で唯一の路面電車停留場!
安全地帯は幅約60cmと非常に狭い。
車両にはステップがないため、安全地帯か
ら車両までは大きな段差が生じる!
駅付近の一帯はかつて延暦寺の飛び地寺領
であった。山ノ内という地名は寺領であっ
たこの地が延暦寺の山門内(=山の内)に
あたる地であったことに由来する!
山ノ内駅を発着する車輛!
ここからは併用軌道から専用軌道となる!
(併専境界)
≪ 嵐電天神川駅 ≫
地下鉄東西線「太秦天神川駅」の乗換え駅
相対式ホーム(停留場)2面2線を持つ地上
駅である。併用軌道区間であるが、安全地
帯ではなくプラットホームが設置されてい
るのに加えて、ホーム全体を覆う上屋も設
置されている。プラットホームにはベンチ
も設置されている。
駅を発車する103+27号車
四条大宮行き(上・右)
到着の104+625号車 嵐山行き(左)
専用軌道と併用軌道の境(併専境界)
に設置の踏切信号!
駅に到着する622+623号車
上り 四条大宮行き!
専用軌道から併用軌道へ!駅に到着する
631+632号車 嵐山行き (下)
≪ 蚕ノ社(かいこのやしろ)駅 ≫
相対式ホーム2面2線を持つ地上駅。各ホーム東端の斜路で三条通と連絡、
併用軌道から専用軌道に入ったところに位置している。
2008年(平成20年)1月16日に開業した京都市営地下鉄東西線の太秦
天神川駅は、当駅から東に約250mの距離にあり、嵐電天神川駅が開業
するまでのしばらくの間は、当駅が地下鉄との乗換駅の役割を担っていた。
駅の北側(嵐電天神川駅側)に「蚕ノ社」の鳥居があり、 その前を
往来する 嵐電車輌!
※蚕ノ社(かいこのやしろ)
古くから祈雨の神として信仰された神社であり、境内には珍しい三柱
鳥居があることで知られる。鳥居をくぐってまっすぐ行くと三本柱の
鳥居がある木島(このしま)神社がある。
この神社の中に、蚕を養うと書く養蚕(こかい)神社があり、この神
社のことを地元の人は「蚕ノ社」と呼び、通称名となった。
≪ 太秦広隆寺駅 ≫
相対式ホーム2面2線の駅。通常は駅員
無配置駅となるが、多客期の週末を中心
に駅員が配置される場合がある。
嵐山駅方面行きホーム(右)は、ホーム
に面して商店の入口や民家の玄関、路地
の入口があり、ホームが道路として利用
されている。
駅のすぐ北西に広隆寺があり、楼門前の併用軌道を横切る電車の
姿は京福電鉄(嵐電)沿線のハイライトの一つである!
※ 太秦広隆寺
渡来人系の氏族である秦氏の氏寺であり、平安京遷都以前から存在
した京都最古の寺院である。国宝の弥勒菩薩半跏像を蔵することで
知られ、聖徳太子信仰の寺でもある。毎年10月12日に行われる牛
祭は、京都三大奇祭として知られるが、不定期開催となっている。
太秦広隆寺楼門前を通過する! 27+103号車 嵐山行き
≪ 帷子ノ辻駅 ≫
「嵐山本線」と「北野線」との乗り継ぎ駅
単式・島式ホーム各1面の計2面4線の地上駅。
単式ホームと島式ホーム間は構内踏切や地下道
で行き来できる。改札口は1番ホーム(単式)
に面した南側地上にある。
「嵐山本線」と「北野線」との乗り換えの
旅客で混雑する!
北野線3番ホームに停車中の2002号車 北野白梅町行き
その横を嵐山本線 615号車嵐山行きが通過!
※ モボ2001形(2001,2002号車)
嵐電の他の車両と違いVVVFインバータ制御方式を
採用したため、従来車両との連結ができない。駆動
方式も平行カルダン式を採用、2002号車は「京つ
けもの もり号」として運行していた。
≪ 車折神社(くるまざきじんじゃ)駅 ≫
相対式ホーム2面2線。駅の柵や柱は車折
神社にちなみ朱色に塗られている。
出入り口は嵐山駅方面行きのホーム(南
側)には車折神社の鳥居側に1箇所。
四条大宮駅方面行きホーム(北側)には
ホームの両側に2箇所ある
車折神社境内より撮影!
※ 車折神社(くるまざきじんじゃ)
後嵯峨天皇が旅の行程の無事を祈ったこ
とが始まりの神社境内社の芸能神社は天
宇受売命を祀っており、芸能・芸術の分
野で活動する人々より崇敬を受けている
(芸能の神様として知られる)
≪ 嵐山駅 ≫
頭端式ホーム3面3線の地上駅。
「キモノフォレスト」と呼ばれる友禅を
LEDで透過させたアクリルポール600本
林立させ、夜は幻想的な雰囲気である。
駅構内は自由に出入り出来るようになり
タリーズコーヒー等のテナントも入居。
1番線と2番線の間にあるホームには嵐山
温泉の湯をひいた「駅の足湯」が設けら
れており、鉄道を利用する・しないに関
係なく、利用券(200円・タオルつき。
嵐電1日フリーきっぷ所持者は割引有)
を購入すれば利用できる。
〔 北野線 北野白梅町~帷子ノ辻 営業キロ3.8Km 複線区間(常盤~鳴滝)駅数10駅 〕
≪ 撮影所前駅 ≫
単線を挟む形の2面相対式の地上駅。
方面別ホームのため、進行方向左側の扉
だけが開く。
映画村の入口(撮影所口)まで徒歩約2分
JR太秦駅(嵯峨野線)との最寄り駅!
≪ 常盤駅 ≫
相対式2面2線ホームを持つ地上駅。北側の新丸太町通側に主要な出入り口が
あるほか、南側にもそれぞれのホームにもうひとつの出入り口がある。
この駅と鳴滝駅の間は複線になっている。
≪ 宇多野駅 ≫
千鳥式2面1線ホームを持つ地上駅。
宇多天皇ゆかりの地名で宇多野とは良い
田・素晴らしい野という意味!
ホームの向かい側にかつて行き違い設備
があったことを偲ばせる、苔むしたホー
ム跡がある。
左手前が北野白梅町方面ホーム、
右奥が帷子ノ辻方面ホーム!
駅発車の614号車 帷子ノ辻行き!
宇多野駅手前の陸橋から撮影(下)
当駅と隣の鳴滝駅との間では、線路の両脇にソメイヨシノが植えられ桜並木となっており、
春には「嵐電 桜のトンネル」と呼ばれている! (下)
≪北野白梅町駅≫
頭端式3面2線ホームで、ホーム全体が
ドーム状の屋根で覆われていた。
乗車は中央のホームから行い、多客時
などを中心に駅員配置時は降車扱いは
両端のホームで行うことが多かった。
写真は改築前の駅舎とホーム!
令和元年11月、バス停留所との一体化や
バリアフリー化を目的とした駅舎改築工
事が開始、旧駅舎の撤去が始まった。
線形を旧2番線降車ホームと旧乗車ホー
ムを活用した2面1線とし、現在の1番線
部分をバス専用停車スペースとなった。