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私鉄ローカル線
三陸鉄道 南リアス線
岩手県釜石市の釜石駅と大船渡市の盛駅間 36.6Kmを1時間30分かけて走り抜ける。全列車ワンマン運転で
駅数は全10駅で殆どが無人駅となる。沿線は、海岸段丘である北リアス線とは異なり、リアス式の三陸海岸沿
いを走る。全線の半分近くが険しく入組んだ地形に沿って突き出た半島をショートカットするトンネル区間と
なり、海が眺める景色は駅周辺に限られる。それでも、海、山、谷を抜けるリアス式の沿線風景は変化に富ん
で美しい。また、震災で大きな被害を受けた南リアス線は、最後まで運休していた釜石~吉浜間が2014年4月
5日から運転が再開され、およそ3年ぶりの全線復旧となり、地元の人々に震災復興の大きな力を与えている。
≪ 釜石駅 ≫
三陸鉄道の南リアス線とJR東
日本釜石線が乗り入れ共に終
着駅となる。単式ホームの1面
1線でJRホームより少し北側に
離れた地上駅。 市内を流れる大渡川沿いの釜石駅全景!
「新日鐵住金釜石製鉄所」の煙突からの復活の煙が力強い!
JR山田線(宮古~釜石)55.4kmは震災で不通
となり、この不通区間をJR東日本が復旧、そ
の後、三陸鉄道に移管される。三陸鉄道とし
ての宮古~釜石間の運行開始日は2019年3月
23日で、この日から三陸鉄道は久慈~盛間
163.0kmを一貫して経営となり、国内の第
三セクター鉄道としては最長距離となります。
釜石駅に到着する ” 36-706号 ”
後方に臨時 ” 36-105号 ” が控える!
※ 36-700形 気動車
津波で被災した車輛の代替として、クウェート国からの
支援により新製され3両が導入。その後、北リアス線に
も3両が導入された。車輛側面にはクウェート国への感
謝の言葉 がアラビア語・英語・日本語で書かれている。
※ 36-105 号
吉浜~唐丹間の鍬台トンネル内で東日本大震災による緊急停止を受け、危う
く津波による被害を逃れた。同車は先の崩落した橋を避け、人的被害を受け
なかったことから「奇跡の車輛」と呼ばれている!
≪ 釜石 ~ 平田 ≫
釜石大観音に見守られながら
大渡川トラス橋を渡る!
※ 釜石大観音
昭和45年に曹洞宗石応禅寺によ
り建立された高さ48.5mで内部
は13階に分かれ、胎内には聖観
音や七福神等が安置されてる。
美しい四つのトラス橋と寄り添うように釜石市内を流れる大渡川!
5つ目のトラス橋を
渡ると釜石トンネル
がある!
≪ 吉浜駅 ≫
駅舎外壁は、東日本大震災の復旧に合わせた、ネスレ
日本協賛で「キット、ずっとプロジェクト」の桜の花
が壁面いっぱいに描かれている。
駅舎は「きっぴんセンター」を併設しており、大船渡
市出張所・集会場が備わる。
女優、川上麻衣子さん 作「サクラサク歩道橋」が
線路を跨ぐ!
吉浜地区一帯は「奇跡の集落」といわれ、大津波の被
害がほとんどなく、過去の津波の教訓から学んだ高台
への集落移転が吉浜の奇跡を呼んだ!
≪ 三陸駅 ≫
駅の愛称は「科学の光」。北里大学海洋生命科学部三陸
キャンパスが駅東方に所在し、2007年まで三陸大気球
観測所も当地に存在していたことに由来する。
駅舎は「三陸町観光センター」を兼ねており、中には小さなお土産コーナーや喫茶
コーナーがあり、特産の柿の葉茶も並んでいる。
≪ 恋し浜駅 ≫
2009年、小石浜地区で直販のホ
タテブランド「恋し浜ホタテ」に
ちなんで駅名を「恋し浜駅」に改
称。以降、駅待合室にはホタテ貝
を絵馬として吊るす「ホタテ貝の
絵馬掛け」が行われている。
この駅は高台にあり、息の切れる長い階段でホームに上がる!
カーブ区間に駅があるので列車が大きく
傾いて入駅する!
この駅では3分間のサービス停車
があり、「カーン、カンッ」と
「幸せの鐘」が鳴らされ、復興
と恋愛成就の願いが山間に響き
渡る!
クウェートからの支援は、8両の車両購入のほかに、被災
した5つの駅舎の再建や他の施設の整備に役立てられた。
クウェートへの感謝の言葉がアラビア語、英語、日本語で
表記されている。 (右)
駅の誕生を喜び、祝い詠われた短歌が描かれた看板!(左)
待合室にホタテの貝殻に恋の願いを書いたホタテの
絵馬が吊るされるようになり、恋愛のパワースポット
として全国から脚光を浴びるようになった!
≪ 綾里駅 ≫
駅舎はアワビとロケットがイメージされた独特な建物で
「東北の駅百選」にも選定されている。
駅舎内には観光センターが併設され、地場の野菜、物産
品が売られている。2階には小さな歴史資料館もあり、
近くで出土した縄文土器などの展示がある。
駅の脇に重機を使って舞
う「綾里大権現」の権現
様が展示している。
南リアス線では唯一の跨線橋を備える、相対式ホーム2面2線の
地上駅。綾里町は整備された大きな集落で乗降客も多い。
≪ 盛駅 ≫
単式と島式の計2面3線のホームの地
上駅で南リアス線は3番線発着となる。
駅前には「三陸鉄道発祥の地」の石碑
があり、久慈駅の「三陸鉄道北リアス
線ここに始る」石碑と比べるのもおも
しろい。
駅構内に三陸鉄道南リアス線運行本
部があり、車輛区が配置されている。
岩手開発鉄道赤崎線が乗り入れ、大船渡鉱山の石灰石を盛経由で
赤崎まで輸送し、太平洋セメント大船渡工場まで運ぶ貨物専用線
である。
現在、JR大船渡線の津波被災区間となる
盛~気仙沼間は、BRT(バス高速輸送シス
テム)となり、1、2番線の線路部分をBRT
専用道に整備しアクセスを容易にしている。